観測時間 :2002年12月25日(水) 10:41~11:12(三宅島付近での滞空時間)
ヘリコプター:東京消防庁「かもめ」(JA9692)
搭乗者 :【重力班】古屋(東大震研)
【火口観測班】大野(日大),東宮(産総研)
【COSPEC班】中堀・岡村(気象庁)
ほかクルー3名
行程:
9:40 立川防災施設離陸
10:40 三宅島空港着陸(古屋さん降機→島内作業)
10:41 同 離陸
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火口観測(10:41~11:12)
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11:26 新島空港着陸(給油・休憩等)
(火口観測班は新島待機.
その間にヘリは三宅島へ飛び,COSPEC班観測および古屋さん再搭乗.)
14:47 新島空港離陸
15:28 立川防災施設着陸
#三宅島ヘリ観測について
(1) 三宅島雄山カルデラ全景.カルデラ内は非常に良く見えた.
(2) 南側より.(3) 西側より.(4) 北側より.(5) 北東側より(東斜面).
「白色の噴煙」は,カルデラ縁より200mほど上昇し,東にたなびいたあと,すぐに消失している.
「青白い火山ガス」は,量がきわめて少なく,かすかに東斜面を(三池方面へ)流下しているのが写真5で見られる.
カルデラの東壁(6),南壁・主火口付近(7),西壁(8)の様子.
写真6~8をつなぎ合わせたものが写真1.
(9) 主火口部分拡大.主火口は大きく見て2重式であるが,内側(写真奥側)の通称「竪穴火孔」(深い)の内部は純白の噴煙が充満していて中の様子は分からなかった.
(10) カルデラ底.大きな水たまりが3つ見える.それぞれ水の色が異なっている.一番右(西)のものは,かつて「黒池」などと呼ばれていたが,現在は「緑色」を呈している.なお,10月30日には「赤さび色」だったとの報告がある(10月30日の観察報告by伊藤順一氏).一方,一番左(北東)のものは赤茶色.
(11) 主火口を西寄りから見た様子.
(12) スオウ穴(手前に見える池).最近,産総研の伊藤順一氏らがここまで調査に入っている.→そのときの様子(産総研・伊藤順一氏のページ)
(13) 三宅島東岸・三宅島空港付近の様子.植生が,空港の手前側は緑色に茂っているのに,奥側(三池付近)は枯れているように見える.三池付近には,卓越風の関係で火山ガス(SO2ほか)が多く流れてくるためと考えられる.
(14) 三宅島空港から雄山山頂を見た様子.写真上部の黒い影は,ヘリのローターが横切ったことによる.
(15) 雄山南麓・村営牧場付近の様子.
(16) 雄山西麓・三宅村ふれあい広場付近の様子.なお,ふれあい広場付近の現地調査の写真は右のページで見られる.→三宅島現地調査:2001年11月26-29日
(17) 本日お世話になった東京消防庁のヘリ「かもめ」
(18) 赤外線温度計による火口温度観測の様子.本日の火口最高温度は270℃を記録(中堀氏).
(19) 「新島村博物館」.1998年開館.新島の自然・文化などに関する充実した展示が見られる.地質関係の展示には,産総研地調のスタッフがかなり協力している模様.
(20) 同博物館では2003年1月18日まで,企画展「水晶色の感動-新島・式根島の白い砂-砂展」が開催されている.日本および世界の様々な砂が展示されていた.
(21) 立川の東京消防庁航空隊の建物.
(22) 航空隊の隣りにある「立川防災館」(防災教育センター).防災ミニシアターや地震体験室などがあるとのこと.
---------- 1.概況 天気は晴れ. 主火口を含め,カルデラ内は良く見えた. ヘリの発着が,東京ヘリポートから立川防災施設へ変更になった(変更は前日に判明). ---------- 2.噴煙・ガス 「白色の噴煙」の高度は,カルデラ縁より200m程度. 上昇後はただちに東へたなびくが,カルデラ縁を超えるとすぐに消失. 「青白いガス」は,きわめて少ないようで, ほとんど視認できないほど(霞みとの区別が困難なほど). 火口観測時に窓を開けていたが,ガス臭は感じなかった. ---------- 3.カルデラ内部・カルデラ縁 主火口をはじめ,先週から大きな変化はなかった模様. カルデラ底には大きな水たまりが3つ見えたが,それぞれで水の色が異なっていた. カルデラ底西部の通称「黒池」(10月30日には「赤さび色」)の池の色は, 今回は緑色だった. ---------- 4.飛行コース等 高度3200ft程度で北東側からカルデラリムへ接近し, スオウ穴上空付近でホバリング~低速飛行しつつ主火口をじっくり観察する, というコースを3回. 高度3500ft付近には雲があり,これよりも高空からの観察は行なわなかった. ---------- 5.その他 赤外線温度計による火口温度観測によれば, 最高温度は270℃であったとのこと(中堀氏による). 以上 ----------------------------------------------------------------------