GSJニュースレター No.9  2005.6
GSJの動き
「日本の地球化学図」が環境賞を受賞

地質調査情報センター 地質調査企画室

「日本の地球化学図」より−日本全土のクロム濃度分布

 地質情報研究部門作成の「日本の地球化学図 元素の分布から何がわかるか?」が,平成17年度の環境賞(主催:(財)日立環境財団・(株)日刊工業新聞
後援:環境省)の優良賞を受賞しました.

 地質情報研究部門では,平成11年度より5年計画で「全国をカバーする地球化学図」プロジェクトに取り組み,10km四方あたり1試料の密度で試料を採取し,日本全国から合計3,024個の試料を採取して,53元素について化学分析を行い,その成果をとりまとめて平成16年度に「日本の地球化学図 元素の分布から何がわかるか?」を完成させました.

 今回,ヒ素,水銀,カドミウム,鉛といった有害元素を含む53元素について,日本全国における濃度分布を明らかにし,環境汚染を評価する際の基準となる自然の元素レベル(バックグラウンド)を示したことが高く評価され,「環境評価の基礎となる地球化学図の作成を行なった」との理由により,環境賞を受賞するに至りました.

 地質情報研究部門では,本プロジェクトに続き,平成16年度より「日本沿岸地球化学図」作成プロジェクトを開始しており,沿岸海域も含めた広範囲の地球化学図を作成し,より広範な環境汚染評価を可能にすること及び,沿岸海域の物質循環解明の基礎資料とすることを目指しています.また,全国カバーとは別に,5万分の1スケール程度の地域における,詳細な「精密地球化学図」の作成プロジェクトも開始しており,現在,「東京湾岸精密地球化学図」の作成に取り組んでいます.

 「日本の地球化学図」は,産業技術総合研究所の研究情報公開データベースにおいて,「有害元素を含む全国元素分布(地球化学図)データベースhttp://www.aist.go.jp/RIODB/geochemmap/index.htm」として公開しています.


「地質情報展」が地質学会表彰決定 

村上 裕 (地質調査情報センター)

 地質調査所時代の1997年より続けて参りました「地質情報展」が,このたび日本地質学会より地質学会表彰を受けることが決定し,日本地質学会総会で報告されました.日本地質学会京都大会にて,9月18日に表彰式が行われます.

 「地質情報展」は日本地質学会との共催で,毎年,日本地質学会年会の開催地で行ってきました.開催に際しては,事務局担当の地質調査情報センター,地質標本館のみならず,地質調査総合センター全体を挙げて取り組んだことがこうした高い評価につながったものと思います。現在の実行委員会委員長として,関係し協力いただいた方々に感謝しますとともに,今後もこの評価の高い地質情報展の継続にご尽力くださいますようお願い申し上げます.

 さて,今年度の地質情報展も,京都での日本地質学会第112年学術大会に合わせて下記の通り開催いたします.現在,実行委員会を立ち上げて展示内容の準備を進めています.更に積極的な提案がありましたら,gevent@m.aist.go.jpへご連絡下さい.

地質情報展2005きょうと
−大地が語る5億年の時間(とき)−

日程:9月18日(日)〜20日(火)
会場:京都大学 吉田南1号館地階

日本地質学会京都大会のホームページでも紹介されていますので,下記URLをご覧下さい.
http://www.geosociety.jp/2005kyoto-HP/event.html
/ Page Top ↑ / Contents / GSJ ホーム /
GSJニュースレター No.9 2005.6
(独)産業技術総合研究所地質調査総合センター
GeologicalSurvey of Japan,AIST