GSJニュースレター No.9  2005.6
最近の学会から
地球惑星科学関連学会2005年合同大会参加報告 

吉岡 敏和 (活断層研究センター)

 去る5月22日から同26日まで,千葉市の幕張メッセ国際会議場において,地球惑星科学関連学会2005年合同大会が開催された.この大会は1991年より毎年の恒例行事として開催されており,地球惑星科学における我が国最大の学術大会となっている.今年も6つの特別公開セッションと2つのユニオンセッションを含む110のセッションが開催され,活発な議論が行われた.

 活断層研究センターの関係する分野のセッションだけをとりあげても,「活断層と古地震」,「長大活断層のセグメンテーションと強震動予測」をはじめ,多くのセッションが開催された.また,昨年後半から立て続けに発生した「新潟県中越地震」,「スマトラ島沖地震津波」,「福岡県西方沖地震」についての特別セッションも開催され,まだ生々しい被害の記憶のもとに,当センターからの発表も含め,活発な議論がなされた.また,本年が阪神・淡路大震災をもたらした兵庫県南部地震から,ちょうど10年目であることを踏まえ,この10年間の地震学の進展を振り返るセッションも開催された.

 また,今年3月に政府の地震調査研究推進本部から全国を概観した地震動予測地図が公表されたのを受けて,それに関連する発表もいくつか行われた.しかし,地震動の予測や活断層の評価を社会にどのように生かしていくかについての議論は決して十分とは言えず,今後の大きな課題と言える.

 このように年々拡大傾向にある同大会であるが,巨大化したなりの問題もないとは言えない.すなわち,セッション数が100を超え,関連する内容のセッションが同時間帯に組まれていたりして,聞きたい発表をすべて聴講するのが困難となったこと,会場の部屋数に限りがあり,十分な収容力のある部屋を用意できなくなっていること,ポスター会場も混雑が激しく,十分な議論がしにくくなっていること,などが挙げられよう.このような学術会議を開催できる会場がまだまだ日本には乏しいことを,つくづく実感することとなった.


地球惑星科学関連学会2005年合同大会展示報告 

山本 茂男 (地質調査情報センター)

出展ブースの様子.写真左は活断層データベースの説明を行う伏島祐一郎氏.
 2005年5月22日(日)〜26日(木),幕張メッセ国際会議場にて開催された地球惑星科学関連学会2005年合同大会において,地質調査総合センターの紹介と地質図・地球科学図等の新刊案内やその販売を兼ねてブース出展しました.

 地質調査総合センターの紹介では,第2期中期計画における研究概要を主とした内容のポスター展示やパンフレット類を配布しました.また,活断層研究センターの協力のもと,3月に公開した活断層データベースのデモンストレーションを行いました.

 地質図・地球科学図等の新刊案内や販売では,この春に20万分の1数値地質図幅集全7枚の刊行が完了したように,昨年の合同大会以降に刊行された地質図等が数多くあったことから来訪者の関心は高く,当初用意した地質図カタログが足りなくなるほどでした.また,数値地質図を中心に販売は順調に進み,金額ベースで昨年の6割増の売上がありました.

 地球惑星科学という広範囲にわたる分野の合同大会のため,ブースを訪れる方は地質図等の購入を目的とした地質調査情報センターをよく知る方から,たまたま目に留まった地質標本館の絵葉書を購入する「地質調査総合センターって何をやっているところ?」といった方まで様々でした.ブース展示の内容は,ほぼ例年通りのものですが,その方々に対応できるものとなっており,地質調査総合センターの研究成果や活動内容を理解していただけたものと思います.

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GSJニュースレター No.9 2005.6
(独)産業技術総合研究所地質調査総合センター
GeologicalSurvey of Japan,AIST