GSJニュースレター No.7  2005.4
福岡県西方沖地震に対する対応状況    地質調査企画室
 3月20日10時53分頃 福岡県西方沖の海底(深さ約10km)を震源とするM7.0の地震が発生し,福岡県・佐賀県において震度6弱の強い揺れを感じました.震源域は警固(けご)断層(福岡市中心部の博多湾沿岸から筑紫野市にかけて北西−南東に走るC級活断層)の海域延長上にあたり,余震は北西−南東方向約25kmに及んでいます.地質調査総合センターでは地震発生後直ちに既存資料の検討を行ない,各種資料を提供するとともに現地調査を開始しました.

地震調査委員会への資料提供及びWebによる情報発信

 21日に開催された地震調査研究推進本部地震調査委員会に,活断層研究センター長が出席し,今回の地震に関わる地域の1/5万・1/20万地質図,重力異常図,警固断層と海域活断層の位置図等を資料として提供しました.同時にこれら資料についてWeb上で公開しました (http://www.gsj.jp/jishin/fukuoka_0320/).

警固断層への影響

 活断層研究センターが今回の地震による警固断層への影響を計算したところ,30年以内にM7級の地震が起こる可能性が,現在の0.4%から最大7%程度にまで大きくなることが判明し,これをWeb上で公開しました.新聞・地元テレビ局等から取材が多く行なわれ,読売新聞朝刊1面に記事が掲載されました.

福岡市周辺の地盤と被害の関係

 1/5万地質図幅「福岡」に示された断面図により,岩盤の上の堆積層が関東平野等に比べ薄いことがわかっており,震度に比して小さい被害と堆積層の厚さとの関係が注目されました.地質情報研究部門がこれについてフジテレビのインタビューを受け,放映されました.

現地調査

 3月31日〜4月2日に活断層研究センターから4名の調査員が地震断層の調査を実施しました.当初,現地調査は当面見送る方針でしたが,現地を調査中の九州大学より,地震断層の確認の要請がなされたため急遽行なうことになりました.調査の結果,地震断層ではないことが明らかになりました.



fukuoka kenn

福岡県西方沖地震の震央部分と活断層(http://unit.aist.go.jp/actfault/fukuoka/map.html

/ Pege Top ↑ / Contents / GSJ ホーム /
GSJニュースレター No.7 2005.4
(独)産業技術総合研究所地質調査総合センター
GeologicalSurvey of Japan,AIST