GSJニュースレター No.6  2005.3
新人紹介
青矢 睦月 (あおや むつき, 地質情報研究部門)

 京都大学で博士を取得後,名古屋大での学振PDを経て2004年10月1日付けで地質情報研究部門に配属となった青矢睦月と申します.現在は島弧複合地質研究グループに所属しています.これまで,地質学上最大の謎の一つとも言える「高度変成岩の上昇過程」の解明を主な目標とし,四国三波川帯や南チベット変成岩ドームの研究を行って来ました.手法としては野外調査に根ざした構造地質学を軸としながらも,岩石学,年代学,熱モデル計算など,様々な手法を組み合わせた包括的な議論を目指しています.本研究所では主に四国三波川帯の図幅研究を通じ,三波川帯の形成・上昇過程を掘り下げるのと同時に,同グループの諸先輩方と共に西南日本を南北に横断する総合的な地質情報をまとめ上げる事を目標としています.こういった図幅研究を礎とし,西南日本の基軸を成す白亜紀の付加帯(四万十帯・秩父帯)〜高温変成帯(領家帯)の形成過程をシステマティックに説明するモデルが構築できればと考えています.

田辺 晋 (たなべ すすむ, 地質情報研究部門)

 2004年10月1日付けで若手任期付研究員として採用されました,地質情報研究部門 沿岸都市地質研究グループの田辺 晋です.地質調査総合センターでは,2001年から技術指導生,2003年から第一号非常勤,2004年から日本学術振興会の特別研究員(PD)として,過去3年半お世話になってきました.技術指導生(学生)の時はメコン,チャオプラヤ,ソンホンといった東南アジアの大河川河口域に分布する沖積低地の発達史に関する調査研究を行ってきました.ポスドクからは東京低地,中川低地といった奥東京湾地域における沖積低地の地下地質構造の解明を目的とした研究を行っています.奥東京湾地域には数万本ともいわれる土質柱状図が存在します.従って,模式となるボーリングコア堆積物を掘削・解析し,その結果を土質柱状図と対比,そして物理探査研究と融合することで,沖積層の地下地質構造を時空間的に詳細に把握することが可能です.今後はこれまで得られた地質学的研究成果を地震工学・土質工学的な観点から検討することによって,地震防災・都市整備に資する基礎情報として公開・利用していくことを目指しています.

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GSJニュースレター No.6 2005.3
(独)産業技術総合研究所地質調査総合センター
GeologicalSurvey of Japan,AIST