先日,標記測定装置が完成したので報告します.これは,活断層周辺で応力方位分布を可能な限り空間的に密に測ることで,活断層のおかれている応力状態を推定するために開発した装置です.一方で,この装置は非常に簡便にその場の応力方位と主応力比を測定可能な装置です.その用途は活断層に限らずいろいろあると思いますので,この場でご紹介させていただきます.
応力方位の測定原理は,差応力下にある岩盤にボーリング孔を掘削すれば,その直後にはボーリング孔が異方的なクリープ変形をします.その異方的変形を直接はかることで応力方位を決定できるというものです.試算によれば,P波速度が3km/s程度よりも大きい岩盤で,0.2‐0.3MPa以上の応力がかかっていれば,掘削後半日〜1日程度の測定時間で検出可能と考えています.
今回開発した装置は,ボーリング孔内で分解能0.1μm程度のレーザー変位計を360度回転させながらクリープ変形の時間変化を測定します.測定深度は20mまでです.今後,さらにテスト実験を行ない,有効性を検証しながら活断層に応用していきます.ご興味のある方はご連絡ください.
ホームページ:
http://unit.aist.go.jp/igg/rg/seisprocess-rg/index.html
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