GSJニュースレター No.5  2005.2
日本古生物学会第145回例会報告  利光 誠一・兼子 尚知 (地質情報研究部門)
 2005年1月21〜23日にJR山形駅西口の山形テルサを会場として日本古生物学会第154回例会が開催された.通常は大学か博物館で開催されるが,雪の多い冬の山形という事情から今回は利便な会場が使用されたとのことである.日本古生物学会は,6月頃に総会・年会を,1〜2月頃に例会を開催することになっている.今回の大会は例会であったが,本学会が事務を依託していた(財)日本学会事務センターの破産(2004年8月)による事業計画の見直しに伴う承認案件の処理のため臨時総会が開催され,今年度の補正予算案などが可決された.

 今大会では,シンポジウム,個人講演・ポスターセッション,および市民向けの普及講演会が企画され,初日のシンポジウムでは,川幡穂高(地質情報研究部門)・安田尚登(高知大学)・丸山俊明(山形大学)・西 弘嗣(北海道大学)の4氏をコンビナーとする「西太平洋におけるIMAGESコアを用いた高時間解像度の環境復元−国際惑星地球年(IYPE)協賛シンポジウム−」が開催された.日本近海で採取された海洋底コアについて,後期第四紀の海洋環境の変動記録を微化石・堆積相・有機地球化学・同位体化学などの様々な手法からのアプローチにより高精度の時間解像度で読み取ろうとするものであり,8件の講演がなされた.下北沖と秋田沖のコアの解析から日本海側の豪雪がいつ頃から始まったのかなどの開催地に関係した話題も提供され,最後に総合討論がなされた.なお,このシンポジウムの成果は今後,本学会の出版物で公表を予定しているとのことである.

 2日目は3会場で51件の個人講演と1会場での9件のポスターセッションが行われ,産総研からの5件の発表も含めてそれぞれにホットな話題が提供された.

 3日目は,市民向けの普及講演が開催され,「花粉化石から見た山形の古環境」(山形大学・山野井徹教授),「貝化石から見た山形の古環境」(筑波大学・小笠原憲四郎教授)の2つの講演がなされ,多くの市民の参加を得ることができた.

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GSJニュースレター No.5 2005.2
(独)産業技術総合研究所地質調査総合センター
GeologicalSurvey of Japan,AIST