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2004年12月15日から17日の3日間の日程で,産総研とVAST(ベトナム科学技術院)との包括的研究協力協定の締結式,および付随して両国の研究者が3つの大分野での実際の研究内容について討論する日・越のジョイント・ワークショップがベトナムのハノイ市内において行われた. VASTとの間の包括的な協定締結については, 2002年以来特にバイオマス技術などのテーマを中心に「オール産総研」として準備が進められてきた. VASTは以前NCST(自然科学・技術国立研究所)と呼ばれる機関であったものが2004年1月に改組されて「ベトナム科学技術院」となったもので,独法化した産総研と同様にベトナムでの科学技術振興政策を担う最先端の研究所に衣替えしたようである. ジョイント・ワークショップでは大きく次の3つの技術分野がとり上げられた: ?IT?環境?海洋地質である. AISTの各々分野の研究コーディネータである大蒔和仁(情報), 山辺正顕(環境), 佃 栄吉(地質)の3氏がそれぞれ,ベトナム側分野代表3名とともに分野別セッションの共同座長を務めた. GSJ(地質調査総合センター)からの研究者として,斎藤文紀氏と松林(岡村行信氏の代理として)が参加した. 海洋地質セッションは会議二日目の午前・午後に行なわれ, 1)南シナ海の地質図コンパイル研究, 2)ASTERリモセン技術を用いた広域環境モニタリング研究, 3)ベトナム沿岸の環境地質学的研究について日本・ベトナム両国から研究の現状についてそれぞれプレゼンテーションを行って今後の協力について議論と情報交換を行った.ハノイ海洋研究所およびハイフォン海洋研究所がベトナム側の相手機関である.他方,締結式は初日(15日)の夕方に日本側からMETIの小此木副大臣と服部ベトナム大使が臨席しベトナム側もMOST(科学技術省)のLe Dinh Tien副大臣とVASTのMinh理事長が列席のもとで,AISTからは小玉副理事長,VASTからNguyen Khoa Son副理事長が両者の署名者となり多数が参加して厳粛に行われた. 地質・海洋の研究分野の研究者にとっては,産総研内の地質・海洋関連以外の研究ユニット(例えば情報通信)との所内研究協力がそれほど多くないのが現状であるのに対して,今回のワークショップではITや環境の専門家と同じ会議に参加するということ自体が新鮮な体験であり,国際部門としてそれを今後大いに推進させたいという強い意気込みが示された.特に,日本側としても地質・海洋分野の情報をコンテンツとしてGRID研究センターとの協力を行ってベトナムへの技術移転を進める将来展開についても議論された.さらに3日目(17日)にはハノイ海洋研究所を訪問して研究者との交流の機会を持つことができた. |
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