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写真1 総会での,佃代表の開会挨拶. |
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写真2 チョコレートヒルの巡検. |
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写真3 管理理事会の議長席.左から,議長を務める佃代表と,チュン事務局長,ラッポルトゥールの内田. |
東・東南アジア地球科学計画調整委員会(CCOP)は,東アジア・東南アジアにおける持続的発展と人間の安全保障のため,コーディネートする機関である.現在,中国,インドネシア,日本,韓国,カンボジア,マレーシア, パプア・ニューギニア,フィリピン,シンガポール,タイ,ベトナムが 加盟している.また,加盟国を資金的・技術的に援助する協力国として先進国14 ケ国が関与している.日本は加盟国であると同時に協力国としての立場を持つが, 実質的には後者としての役割が大きく,創立以来,資金協力,長期専門家・短期専門家の派遣など,さまざまな協力を行っている.
今回のCCOP第44回年次総会は2007年10月22日から10月26日までフィリピン・セブのマルコポーロプラザホテルにて,カンボジアとシンガポールを除く9加盟国,協力国,協力機関,顧問団が参加して開催された.日本からの参加者は以下の通りである.産総研地質担当研究コーディネータ(CCOP管理理事会議長) 佃 栄吉,産総研理事 加藤碵一,地質調査情報センター 嶋崎吉彦 ・ 高田 亮 ・ 内田洋平・Joel C Bandibas,金沢大学の塚脇真二氏,アジア防災センターの 白鳥隆昭氏.
開会式において,セブ市の副市長,佃管理理事会議長,開催国代表より開会の挨拶があった(写真1).チュン事務局長より,2006年7月1日〜2007年6月30日の期間中の事務局運営,予算,活動,新規プロジェクトについて報告が行われた.対象期間中において,産総研とCCOPとの契約によって4件のプロジェクトが実施され,当初の目標を達成したことが報告され,そのうち3件については2007年度も協力を継続することが紹介された.次いで,産総研が仲介し,CCOPと世界銀行の契約で開始した零細鉱業(スモールスケールマイニング)のプロジェクトである「CASM(Communities And Small Scale Mining-Asia」について報告があった.また,産総研が提案している「GEO Grid」イニシアティブの進捗が報告された.最後に日本が参加している「CCOP Geoheritage book」,「OneGeology」の準備・活動状況が報告された.
加盟国報告では,加藤理事が,昨年度に立ち上げた「CCOP国内支援委員会」を中心に,各機関の国内外の活動に関する講演を行った.これに対しては顧問団より強い賛成が寄せられた.協力国報告では,加藤理事から,わが国がアジアをリードしている「GEO Grid」について,今後のプロジェクト計画を提案し,これまでの成果のデモンストレーションが行われた.また,本会議から新たに参加したポーランドが,津波や沿岸のプロジェクトについて講演を行った.関係機関報告では,ASCOPE,EuroGeo Surveys,CPCが講演を行った.EuroGeoSurveysは来年オスロで開かれる国際地質学会の宣伝を行った.
2007年1月から12月までの事業計画について事務局より説明があり,了承された.顧問団より顧問団会合について報告があり,CCOPが顧問団の勧告によく従い,改革を進めていること,財政・運営それぞれの活動が順調であることが認められた.
その他の討議として,CCOPと各国のIYPE(国連国際惑星地球年)活動について説明があった.新協力国としてポーランドが加わったこと,モンゴルは,加盟国として参加することを検討していること,さらにモンゴルが,自国の活動を紹介した.
最後に技術セッション「Awareness and Cooperation in Geosciences for Safer, Healthier and Wealthier Communities”」が公開で開催された.その中で,Joel C Bandibas 氏(産総研)がIT技術を使った地滑りの講演を,国内支援委員会から白鳥隆明氏(アジア防災センター)がアジア防災センターの活動を紹介した.
26日には,セブ島の東に位置するボホール島の巡検が行われた.石灰岩の多数の丘からなるチョコレートヒルでは,ジオパークの可能性などが議論された(写真2).その他,世界で一番小さなメガネサル「ターシャ」やロボック川周辺の観察が行われた.
2.CCOP第50回管理理事会報告
第44回年次総会に引き続き,CCOP第50回管理理事会が10月27日から10月28日まで同ホテルにて開催された.日本からの参加者は以下の通りである.産総研地質担当研究コーディネータ(CCOP管理理事会議長) 佃 栄吉,産総研理事 加藤碵一,地質調査情報センター 嶋崎吉彦 ・ 高田 亮 ・ 内田洋平.
議題採択の前に,内田洋平がラッポルトゥールとして選出された(写真3).
まず,チュン事務局長より2007年1月から6月の期間中における事務局運営,予算,活動および新規プロジェクトについて報告が行われた.また,7月にタイのバンコクで開催されたAOGS(Asia Oceania Geoscience Society)において,産総研の展示ブースの一部で産総研と契約されたCCOPプロジェクトが紹介されたことが報告された.CCOPとして,今後必要とされるべきテーマとして,地球温暖化,CO2,ガスハイドレート,地質災害,地下水管理などがあげられた.
第51回管理理事会(2008年)がタイのチェンライで,第45回年次総会(2008年)がタイのコンケーンで開催することがタイ政府より提案され,採択された.
その他,事務局長選挙の手続きの改正案について議論が行われ,改正することで一致した.次回の管理理事会で,最終案が決議される予定である.現在,我が国が管理理事会議長国であるが,今回で任期が終了する.次期管理理事会議長国として,マレーシアが推薦され承認された.最後に各国の所見表明があり,日本からは加藤理事が行った.
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