GSJニュースレター No.3  2004.12
新人紹介
宮越 昭暢 (みやこし あきのぶ, 地圏資源研究環境部門)
 平成16年4月に若手任期付研究員として採用されました,地圏資源環境研究部門 地質バリア研究グループの宮越昭暢と申します。専門は水文学で,関東平野をはじめ石狩平野,長岡平野等において地下水環境に関する研究や流動系の解明に取り組んで参りました。現在は従来の研究テーマに加え,特に地下水流動の終焉部である沿岸域に着目しています。沿岸域では塩淡境界の問題に加え,人為影響(都市化等)により複雑な地下水環境であると言えます。しかし,沿岸域での地下水データには山地や丘陵で涵養されてから流出に至るまでの流動情報や,地下水環境の変遷,広域流動系においては数千から数万年という非常に長いタイムスケールを有しているために過去の気候変動の情報も含まれており,社会的・学術的にも重要です。現代は「水の世紀」と取り上げられることもありますが,資源としての地下水はもちろん,地球環境変化の指標として地下水に着目し研究に取り組みたいと考えております。フィールドワーク以外は643室におります。どうぞよろしくお願い致します。

川辺 能成 (かわべ よししげ, 地圏資源研究環境部門)
 今年の4月より地圏資源環境研究部門の地圏環境評価研究グループに配属されました川辺能成です。2001年4月より産総研のPDとして3年間,化学物質のリスク管理に関する研究および土壌・地下水中における汚染物質の自然減衰や浄化に関する研究を行い,現在もそれを継続しております。土壌・地下水中における化学物質のリスク管理に関する研究では,例えば,土壌中にある濃度の鉛がある場合,そこに居住した人は生涯でどれくらいの鉛を体内に取り込んで,そのリスクはどれくらいあるか見積もったり,あるリスクレベル以下にするためには,土壌・地下水中の汚染物質の濃度をどの程度まで浄化するべきか見積もったりしています。また,自然減衰に関する研究では,土壌や地下水に汚染物質が負荷された場合でも,その汚染物質が永久にそこに留まることは稀であり,生物・化学・物理現象など,何らかの要因により濃度が低下していきます。これらの現象を定量的に評価することにより,一つの浄化手法として確立させることを目指しております。
以上,簡単に私の自己紹介をさせていただきました。今後,皆様のお世話になることもあるかと思いますが,どうぞよろしくお願いいたします。

田村 亨 (たむら とおる, 地質情報研究部門)
 2004年4月1日付けで産総研の若手任期付研究員に採用されました,地質情報研究部門沿岸都市地質研究グループの田村亨です.GSJでは,沖積層の解析を通して,過去の数時間から1000年オーダーまでの海岸沿岸域の変動とその要因を探り,これからの沿岸環境の予測や保全に貢献したいと思っています.
沖積層の浅部には,過去数千年における海岸域での堆積現象が記録されています.その記録を,現在目にする堆積現象の数時間や数日,数年といった高分解能で読み取り,地層から「過去」を知り「将来予測」に役立てたいと考えています.このために現在当グループで進めている,地中レーダー探査やボーリングコア解析を融合し,日本やアジア各地の沖積平野をフィールドとした研究に取り組んでいます.
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GSJニュースレター No.3 2004.12
(独)産業技術総合研究所地質調査総合センター
GeologicalSurvey of Japan,AIST