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アメリカ地球物理学連合(AGU)2006年秋季大会報告
森川 徳敏(深部地質環境研究センター)


写真:Moscone Center West 1階セッション終了時(夕刻)の様子.(撮影:深部地質環境研究センター・竹田幹郎氏)


 2006年12月11日〜15日に,アメリカ地球物理学連合(AGU: American Geophysical Union) の Fall Meeting が,合衆国サンフランシスコで開催された.Fall Meeting では,連日午前・午後にそれぞれ2時間ずつ計4つのオーラルセッションと,終日のポスターセッションが開催され,10,000件を優に超える海洋科学,火山学,地震学,水文学,生物地球科学,測地学,惑星科学など幅広い分野の研究成果が発表された.セッションは Moscone Center West と Moscone Center South の2会場で行われた.いずれの会場も当日はAGU以外には使用されておらず,Moscone Center South の会場では,「AGU Only」という看板が入り口に掲げてあった.

 筆者は,Hydrology に属するセッション「Recent Advenced in Groundwater Hydrology Posters」においてポスター発表を行った.上記セッションでは,物質輸送モデル,数位tシミュレーション,科学・同位体組成,試錐孔における現地試験などの手法を用いた地下水文学の最新の成果が報告された.水文学のセッションは投稿総数も1,500を超え Atmospheric Science とならんでもっとも規模が大きかったようである(口頭発表:約550件,ぽすたー:約1,000件).国内でも,いくつかの地下水・陸水・水循環関係の学会があり,筆者自身すべての学会に所属している訳ではないためか,国内外問わず,普段あまり接する機会のない様々な研究者との交流がもてたように思う.

 上記のセッション以外にも,地球表層部から地殻深部における物質循環,その様式を特徴づける地下構造など筆者の興味の分野について「Volcanology, Geochemistry & Petrology」,「Tectonophysics」などのセッッションにおいていくつか興味深い講演を見ることができた.1日1,600〜1,700件前後のポスター発表およびその約半数の口頭発表(約30部屋に分かれて開催)と,大規模な大会であるがゆえ,興味あるセッションの時間が重なっていたり,会場の移動にやや不便さも伴ったが,他分野の研究を一度に見る機会を得て、有益であった.

 なお,2006年Fall meeting のプログラムとアブストラクトは,http://www.agu.org/meetings/fm06/?content=program で検索できる.




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