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第2回CCOP国内支援委員会開催
村尾 智(地質調査情報センター)


第1表:地質科学情報(地質情報)についての知的基盤整備目標.
2010年までに

・20万分の1地質図幅について,全124図幅の整備.
・5万分の1地質図幅について,全1272図幅中940図幅(74%)の整備と地質情報データファイルの整備.
・20万分の1海洋地質図について,47区画の整備.
・火山地質図全16図と火山科学図2図の整備.



第2表:人間の安全保障実現に向けた外務省の方針.
<人間の安全保障の基本的な考え方>

・脅威認識:個人を直接脅かす多様な脅威の存在(テロ,感染症,貧困,環境破壊等←国家による対処の限界)
・目的:人々及びその所属する地域社会を脅威から「保護」するだけでなく,脅威に対処するために自ら選択・行動できるよう「能力強化」を図る.(多様な脅威に対処する包括的対処,分野横断的アプローチ,国家・国際機関・NGO・市民社会等の連携・調整が必要.)

<外交政策への反映>

・人間の安全保障は国際社会が共同で取り組んでいくべき課題と認め,
1)国連及びその他の場(二国間関係や地域機関等)において,概念を普及させる.

2)具体的なプロジェクト実施を通じて,現場での実績を図る.
3)国内での理解を促進する.




写真:会議の様子.
 2006年12月14日,地質調査情報センターは第2回国内支援委員会を開催した.外務省,経済産業省をはじめ,地球科学関係の業務をアジアで展開する組織より委員が参加し,活発な議論が行われた.

 会議は小玉喜三郎委員長のリードにより,報告の部と講演会の部に分けて実施された.報告の部ではまず次の点が強調された.
 また,第43回年次総会,第48回管理理事会の内容について,報告がなされた.第43回年次総会では,わが国が国内支援委員会を立ち上げたことに反響があったこと,円卓会議「Role of geosciece for sustainable development and human security」が特別に企画され,外務省から小野企画官が参加した(高田・村尾 2006)ことが紹介された.小野企画官からは,「CCOPは雰囲気のいい,また日本の存在感が大きい国際会議という印象を持った」とのコメントがあった.第48回管理理事会では,産総研が推進するGEO Grid という国際イニシアチブについて,協力する空気の醸成に成功したことや,産総研とCCOPの間をつなぐ連絡調整員の定期的派遣が承認されたこと,人間の安全保障を実践する提案として「環境分析支援プログラム」が承認されたことの報告があった.

 講演の部では,4つの講演が行われた.
  1. 経済産業省 産業技術環境局 地的基盤課長 吉田雅彦委員「日本国の地的基盤整備と地球科学情報(地質情報)」
  2. 外務省 国際協力局 多国間協力課 企画官 小野日子(ひかりこ)委員「人間の安全保障の現状と課題」
  3. 国土地理院 国際観測企画官 藤原 智委員代理「アジア地域における災害監視」
  4. 国際協力気候 地球環境部長 伊藤隆文 委員「JICAのパキスタン地震災害復興支援 〜この1年の活動〜」

 第1表に経済産業省の示した地的基盤整備目標(地球科学情報分)を,第2表に外務省の発表した人間の安全保障についての基本方針を示す.

 この日は議論に基づいて,次のような問題提起をあった,


 今回の会議はおおむね成功であったが,討論の時間が十分に取れなかった,あるいは持続可能な開発についての考察が不十分であったなど,反省すべき点もある.第3回委員会は2007年7月6日を予定しているが,こうした反省をふまえて,より良い内容にさせて行きたい.

文献
高田 亮・村尾 智(2006) CCOP第43回年次総会・第48回管理理事会  GSJ Newsletter No.27, p.1-3.


















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