GSJニュースレター NO.25 2006/10

パキスタン地質調査所所長来所
高田 亮 (地質調査情報センター)
写真:小玉副理事長(中央)と会見しているパキスタン地質調査所(GSP)Mirza所長(右)と,GSPイスラマバードKausar支所長(左).


 2006年9月30日〜10月5日まで,パキスタン地質調査所(GSP)所長Talib Hasan Mirza氏と,GSPイスラマバード支所長Allah Bakhsh Kausar氏が来所された.2005年10月8日にパキスタン北東部を襲い数万人以上の犠牲者をだしたマグニチュード7.6の地震の情報交換が主な目的である.地震発生後,地質調査総合センター(GSJ)は,衛星画像解析により地震直後地滑りの発生を明らかにしWebに公開した.GSJは,2006年1月の現地でのGSP主催の国際会議に出席し,国際チームに加わり,全長65kmに渡る地震断層を確認した.3月には活動周期を明らかにするための断層の発掘調査を行った.また,JICAの復興事業にも協力した.

 Mirza所長は,10月3日午前,産総研つくばセンター所長室にて,小玉副理事長との会見を行い,GSJの地震災害調査の貢献に対して,感謝の意を表明された(写真).今年1月の国際会議に招聘され地震災害軽減のための提言を行った佃研究コーディネータとの会見でも,Mirza所長は,GSJの技術協力を高く評価し感謝を述べられた.また,活断層研究センターは,GSP研究員を研修員として受け入れる予定である.10月3日午後には,活断層研究センター主催で所内研究発表会が開催され,Kausar支所長が地震直後の地滑りの講演を,活断層研究センターの金田が,パキスタン地震の地震断層とテクトニックの位置づけに関する講演を行った.

 GSPとは実は長いつきあいがある.ITITプロジェクトやイスラマバード支局の地質科学研究所(ジオラボ)の設置から,長期派遣者を初めとする地質調査総合センター(旧地質調査所)のGSPへの貢献は大きい.今回のMirza所長来所では,地質情報研究部門の小笠原と高橋 浩の協力はありがたかった.Mirza所長とKausar支所長は,活断層研究センター,地質リモートセンシング研究グループ,統合地質情報研究グループ,地質情報整備室,地質標本館を訪問し,研究から一般普及までの熱心な議論を行い,今後のプロジェクトの可能性を模索し,実りある成果があったと思う.

/↑up / Contents / ニュースレターTop / GSJホーム /

独立行政法人産業技術総合研究所
地質調査総合センター