GSJニュースレター NO.20 2006/5 |
平成18年地質調査総合センター新人研修 佐藤 努 (地質調査情報センター) まず,4月19日に,地質関連各ユニットの概要説明及び共同利用実験室と第7図書室の見学が行われました.組織について説明があったのは,地質調査総合センターおよびそれを構成する主なユニットの地質調査情報センター,地質標本館,深部地質環境研究センター,活断層研究センター,地圏資源環境研究部門,地質情報研究部門です.続く共同利用実験室の見学では,充実した実験設備に研究意欲を湧きたてられた方も多かった模様です.また,第7図書室の説明では,昨年度オープンしたばかりの地質図ライブラリーを見学し,地質調査所時代から保管されている貴重な資料に注目が集まっていました(写真1).夕方からは懇親会が行われ,加藤理事をはじめ各ユニットの代表の前で,研修者の自己紹介が行われました. 4月20日は,新人研究発表会が開催されました.発表時間は1人20分で,主に現在まで行ってきた研究内容について発表しました.傍聴者は51人に達し,質疑応答では活発な意見交換がなされました.新人の方々がどんな事に興味を持っているのかを知るための,良い機会になったようです. 4月21日は,野外巡検のため茨城県常陸大宮市および大子町を訪問しました.案内をしていただいたのは,地質情報研究部門の宮地さん,奥山さんと地質標本館の谷田部さんです.海底火山の噴火によって生じたメノウ脈や付近の地質構造線(写真2)などを観察しました.例年,野外巡検は地質調査車両を用いていましたが,今回はマイクロバスを利用しました.往復の車内では見学地の説明や意見交換などが行われ,研修者間の親睦に一役買った模様です. さらに4月24日には,希望者のみを対象として追加野外巡検が実施され,6名の参加者がありました.場所は茨城県常陸大宮市の工事現場で,地質情報研究部門の中江さんの案内で付加体のチャートや砂岩,泥岩などの観察を行いました.今回は地質調査車両を用いて,車両の使用に関する研修も併せて行われました. 研修後に寄せられた感想では,事務手続きに関する研修を増やしてほしいという要望が多数ありました.野外巡検については,マイクロバスと地質調査車両のどちらとも好評でした.どちらの野外巡検とも,対象地域の地質図幅を作成しているかたに案内をしていただいたので,実際の地質調査に用いたルートマップと露頭とを対比することができ,地質調査の最前線を身近に感じることができたと思います.専門が室内実験や分析といった研究者も最近は多く,野外調査の様子を知る貴重な体験になったことと思われ,今後は視野の広い研究者を目指していただけることを期待します. |
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独立行政法人産業技術総合研究所
地質調査総合センター |
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