4月1日付けで地圏資源環境研究部門・地圏環境評価研究グループに採用になりました坂本靖英と申します.2002年より2年間,当部門にて PDとして勤務し,メタンハイドレート資源開発・生産手法開発(MH21)のプロジェクトにおいて,主としてメタンハイドレート(以下,MH)貯留層の浸透率評価を目的とした研究に携わってまいりましたが,これは今後3年間の任用期間においても引き続き実施する研究課題であります.
現在考案されているMH貯留層からのガス生産手法には,熱刺激法,減圧法,インヒビター圧入法等が挙げられますが,いずれも原位置でMHをガスと水とに分解させてガスを生産する方法です.MHは石油・天然ガスとは異なり固体であるため流動性を持たず,さらにはガスや水の流動を妨げる物質として取り扱われます.MH存在下での流体の流れ易さを表す浸透率は,MH貯留層からのガスの生産性を予測する上で必要不可欠なパラメータと言えますが,既往の研究はほとんどないのが現状です.MH存在下の浸透率を実験的に評価した上で定式化をし,生産シミュレータへの導入を図ることが私の当面の課題です.これらの研究を通じて,MH貯留層からのガスの生産手法の確立,ひいては我が国の一次エネルギーの安定供給に少なからず寄与できたらと考えております.
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