GSJニュースレター No.2  2004.11
平成16年度(2004年)新潟県中越地震の現地緊急調査報告(速報)
粟田 泰夫・石山 達也・丸山 正(活断層研究センター)・小松原 琢(関西センター)・
下川 浩一(地質調査情報センタ-)
写真1
写真2
写真3
写真4
1.地震断層調査

魚沼市の旧広神村小平尾(おびろう)で地震に伴う断層の地表変位が発見されたとの情報をうけて,調査を実施した.その結果,国土地理院が発行している「都市圏活断層図 小千谷」(渡辺ほか,2001)に示されている六日町盆地西縁断層帯の北方延長部で,長さ約1.7 kmの区間に渡って3地域の計5地点で,断層活動によると推定される地表変形が認められた.これらの変形量(水平短縮)は,28日午後の調査時点で最大数cm程度と見積もられ,今回の地震の本震と一連の余震活動に誘発された,小規模な断層活動によって形成されてきた可能性がある.

2.地盤災害の概要

地盤災害の状況は,共同通信社の取材ヘリに同乗し,短時間の空からの観察を中心に実施した.
今回の地震では,東山丘陵を中心に既存の地すべり地域で大きな土砂災害が発生した.とくに土砂災害が多かった山古志村では,既存の地すべり土塊が崩落して流動性の高い地すべりとなった事例(写真3)と,既存の滑落崖で山崩れが起こった事例とがみられた.また,信濃川沿いの河川敷や旧河道では,液状化によって噴砂が出現し(写真4),その北限は少なくとも震央から40km余り離れた寺泊市岩方付近にまで達していることが確認できた.

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GSJニュースレター No.2 2004.11
(独)産業技術総合研究所地質調査総合センター
GeologicalSurvey of Japan,AIST