GSJニュースレター NO.19 2006/4 |
サイエンスチャンネルにおける番組の製作
佐藤 努(地質調査情報センター)
このサイエンスチャンネルは次の4つの方法で視聴できます. 1)スカイパーフェクTV!, 2)110度CS放送, 3)ケーブルテレビ局,4)インターネット放送, 最後のインターネット放送は,いつでも番組が視聴できるので便利です.サイエンスチャンネルのWebページ(http://sc-smn.jst.go.jp/)で「つくば発しなやかな産業革命」で検索すると,番組を探すことができます. まず,「地震はなぜ起こるのか」ですが,2005年12月から2006年2月にかけて撮影が行われました.番組は主に,餌取(えとり)産総研広報アドバイザーによるインタビュー形式で進行します.題材も,活断層調査,地下水観測,津波研究,地下構造調査の4項目に絞られ,具体的な研究を示したより解説的な内容となっています. 番組は,杉山活断層研究センター長による日本における地震発生のメカニズムにつての説明で始まります(写真1).続いて活断層のトレンチ調査現場場面が移動し,宮下活断層研究センター研究員が断層を目の前にして詳しい解説を行います.場面は産総研に戻り,小泉地質情報研究部門地下水研究グループ長が,地下水観測による地震予測研究に関連して地下水変動と地殻変動との関係について解説し,続いて佐竹活断層研究センター副センター長が,津波研究に関連して解説して津波シミュレーションの実例(2004年のインド洋大津波など)や津波堆積物調査について解説します.地下構造調査については,東京大学地震研究所の佐藤比呂志教授による実際の地震波データを用いた解説があり,最後に杉山センター長によって地震時における心構えがまとめられて番組は終わります. 次に「地球丸ごとデータ化」ですが,2006年3月に撮影が行われました.「地震はなぜ起こるのか」と同様,餌取アドバイザーによるインタビュー形式で進行します.地質調査から地質図ができるまでの過程を, a)調査や試料採取風景, b)試料の処理や解析・分析風景, c)完成した地質図の解説という流れで,それぞれに多くの映像を用いて解説を行っています. 番組は,栗本地質調査情報センター長による地質図についての紹介で始まります. a)の調査風景では,まず場面が石切り場に移動して高橋裕平産学官連携推進部門研究員による露頭の説明があり(写真2),続いて三宅島の調査,地震波探査,海洋調査などの風景が流れます. 次にb)の試料の処理などの様子では,岩石の薄片を作製したり,その薄片を観察する場面,そして斎藤 眞地質情報研究部門研究員による電子顕微鏡を用いた観察の紹介,松本哲一地質情報研究部門研究員による岩石年代測定の紹介が流れます. c)の地質図の解説では,地質情報研究部門の6名の研究員がそれぞれ専門の地質図の解説を行います.具体的には,吉川研究員より基本的な地質図について,荒井研究員より海洋関係の地質図について,森尻研究員より重力図について,今井研究員より地球化学図について,川邉研究員より火山地質図について,宝田研究員よりシームレス地質図についての紹介です.最後に,栗本センター長によって地質図がどのように用いられているかがまとめられて番組が終了します. 放送時期ですが,「地震はなぜ起こるのか」は,すでにインターネットで視聴することができます(上記Webアドレスをご参照下さい).110度CS放送やケーブルテレビによる放送日は各局によって異なりますが,スカイパーフェクTV!では4月5日と12日に放送されています.「地球丸ごとデータ化」については,現在番組を製作中です.放送日は,6月下旬から7月上旬を予定しています. |
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