GSJニュースレター NO.19 2006/4 |
第47回CCOP管理理事会報告
村尾 智(地質調査情報センター)
議題は「業務の進捗状況」,「新たなプロジェクト等」,「業務計画および予算」,「石油関係プロジェクト報告(2件)」,「顧問団勧告への対応」,「次回開催地・時期」,「事務局長選挙」,「規則改定」,「IYPE(国際惑星地球年)」,「加盟国の新規案件」,「地球科学とガバナンス」であった. 今回は,技術的課題以外ではCCOPの運営が議論の焦点であった.特に,増加するCCOPのプロジェクトをどう管理するかという点について議論があった.近年,チェン事務局長の努力もあって,CCOPのプロジェクトは増加の一途をたどり,現状ではマンパワーが限界に近いとおもわれる.そこで,スタッフを増やすかどうか,増やすとしたら,どのようなシナリオで進めるかについて,議論が行われた. CCOPはプロジェクトを管理するために,業務を便宜上「地球資源」「地球環境」「地質情報」の3つのセクターに区分している.そこで,事務局は,それぞれのセクターをまとめるマネージャーを確保する前提に立ち,次の3つのシナリオを提示した. (1)事務局に在籍する地域専門家とIT担当者に3つのセクターのうち2つを担当させる.IT担当者はセクターマネージャーとして昇進させる.IT担当の助手を1名雇用する. これに対し,フィリピンは,セクターマネージャーの役割にマーケティングについて,さらに議論を続けるための会議開催を提案した.また,マネージャー雇用のほかに,CCOPの維持についてのブレーンストーミングが必要と指摘した.マレーシアは,マーケティング導入には賛成するが,CCOPに似た業務を行う組織が多数あることを認識した上で,行動に移るべきと述べた.また,セクターマネージャーがマーケティングに集中し,プロジェクトコーディネーターが各プロジェクトを管理するべきではないかと述べた. 2006.10.1 加盟国が管理理事会議長に候補を推薦 技術的課題としては,2件の石油関係プロジェクトについて,詳しい報告があり,了承された.また,地質調査総合センターがCCOPと世銀を仲介して実現した「CASM-Asia」というスモールスケールマイニングのプロジェクトを核として,さらに大きなプロジェクトを立ち上げたいとの意向が事務局から表明された.わが国はこれまでの経緯を説明し,この問題に取り組むCCOPの姿勢を高く評価した.さらに,わが国より,グリッドコンピューティングを地球科学に応用する「GEO Grid」構想について紹介したが,各国の反応は皆無であった. |
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地質調査総合センター |
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