GSJニュースレター NO.18 2006/3 |
第5回全地連・産総研懇談会の開催 佐藤 努 (地質調査情報センター)
出席者は,全地連から13名,産総研から17名,オブザーバー1名の計31名でした. 小玉産総研副理事長,佃産総研研究コーディネータ,および成田全地連技術委員長の挨拶の後,主に以下の3つの議題について,意見交換が行われました(写真1). 1)全地連と産総研の協力実績と今後の方針 2)内外活動のハイライト 3)イノベーションハブに向けて まず1)ですが,産総研の栗本地質情報研究部門副部門長から地質図の利用普及に関する懇談会の報告があり,この懇談会の方向性と地質図公開について議論が行われました.続いて,産総研の鹿野地質情報研究部門主任研究員から地質図等の標準化の実施状況と今後について,また全地連の池田事務局長より土木地質図JIS化の実施状況と今後について話題提供がありました.引き続き池田氏より,今年度発足したWeb-GISコンソーシアムについての活動報告がありました. 次に2)について,全地連からは池田氏より技術e-フォーラム2006名古屋の開催についての連絡が,藤城事務理事から「日本列島地質事象百選」プロジェクトについての報告がありました.一方産総研からは,大久保地質調査情報センター地質調査企画室長より国際活動のハイライトが,酒井広報部地質標本館地質相談所長より地質相談トピックについての報告がありました. そして3)について,産総研から古宇田産学官連携コーディネータより,地質地盤情報協議会の設立に着いての報告が,村上地質調査情報センター副センター長より,知的基盤整備目標検討委員会の活動報告がありました. 最後に,意見交換が行われました.まず産総研から都市の地下水利用について問題提起があり,次に全地連側から,地盤情報と地下水情報を比較した際,地下水情報の取扱いの方が難しいという指摘あがあり,地下水に関する議論が進みました.具体的な内容を挙げると,地下水情報発信の役割分担や防災井戸の現状,海外で求められている水の管理技術,地中熱利用や水文環境図,地下水をコントロールする地質条件,塩淡境界の地下水流動などに及びました.引き続き環境問題について議論が行われ,自然由来の重金属による土壌汚染や天然アスベストのバックグラウンド,地盤強度データなどについて,情報発信者としての産総研の役割や情報発信の難しさなどが話し合われました.最後に,地質調査業界と産総研との間にはまだ意識のギャップがあることが指摘され,今後も情報交換が重要であることを確認して懇談会は終了しました. 会場では,最新地質図の展示も行われ,懇談会の開始前や終了後に図幅の前で議論が交わされました(写真2).また懇談会の後には懇親会が行われ,25名の方が参加されてさらに活発な意見交換が行われました. |
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