GSJニュースレター NO.17 2006/2 |
第3回国際デルタ会議,ボルネオ島ブルネイ大学で開催される -IGCP-475 DeltaMAP と CCOP DelSEA プロジェクトの合同会議- 斎藤 文紀 (地質情報研究部門,IGCP-475 DeltaMAP共同代表,CCOP DelSEA代表)
合計5回予定されているデルタ会議のなかで,今回の会議は唯一大陸の大規模デルタではない,島嶼のデルタで開催された会議です.ボルネオ島から海域に運搬される土砂量は年間9.1億トンと推定されており,この量は,長江,メコン河,紅河(ホン河)の土砂量を加えたよりも多く,多量の土砂が海域に供給されています.東南アジアからオセアニアにかけての島嶼からは,世界全体の海域への土砂量のうち,20〜30%にも及ぶ量が運搬されていると考えられており,また熱帯雨林やマングローブを反映して多量の有機物もいっしょに海域に運ばれています.ボルネオ島やその周辺海域から産する油田も,中新統のデルタの堆積物が貯留岩となっており,陸源の有機物に由来すると考えられています.この地域では,中新世以降,大きな気候や沿岸環境の変化がないことから,巡検では,現世のデルタと中新統のデルタの堆積物を見比べるというコースが組まれ,非常に興味深い巡検でした. 次回の国際デルタ会議は,2007年1月中旬に,バングラデシュのダッカで,バングラデシュ地質調査所が中心となって行われる予定です.巡検は,もちろん,ガンジス・プラマプトラデルタです.サーキュラー等は4月以降に発行される予定です.ご関心のある方は,斎藤文紀<yoshiki.saito@aist.go.jp>までお問い合わせください. |
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