GSJニュースレター NO.13 2005/10 |
第2回CCOP火山災害軽減のための野外ワークショップ 高田 亮(地質情報研究部門)
9月6日には,DVGHM所長の挨拶で始まり,インドネシアをはじめアジア地域での火山災害の重要性が再確認された. 6日と7日の発表会では,DVGHMから,チレメ火山のハザード評価,メラピ火山のハザードマップと活動状況,ケルート火山とイジェン火山の火口湖の地球化学観測についての報告があり,フィリピン地震火山研究所から,ピナツボ火山火口湖からの排水の試みと,火山地震観測体制についての発表があり,パプアニューギニア地質調査所ラバウル観測所からマナム火山2004-2005年噴火についての報告があった.地質調査総合センターからは,古川竜太が,インドネシアとの共同研究の成果であるロンボクリンジャニ火山で13世紀に起こったカルデラ噴火について,宝田晋治が三宅2000‐2002年噴火の水放出量測定について研究発表した.最後に,CCOPへの貢献として,アジアでの火山噴火経験の情報共有のための,地質調査総合センターの具体案を,宝田が説明し,みなで議論を行った. 野外巡検は9月7日午後〜10日に行われた.過去600年で15000人以上の犠牲者を出しているケルート火山では,観測体制と火口湖の排水トンネルを見学し(写真1),過去の爆発的噴火の堆積物を観測し,この火山の災害の重要性を認識した.活動的火山の代表であるメラピ火山では,現在の活動状況をもとにハザードマップを議論した.現在の活動とは異なる,約200年以前の爆発的噴火の時期の噴出物を観察し,噴火様式の多様性の問題の難しさも実感した.遺跡の発掘現場では,噴出物との関係も議論し,考古学者の説明も受けた(写真2).最後に1994年の火砕流災害の現場も見学した. 第2回は会議としても立派な準備がされ,巡検ガイドブックも用意され,本ワークショップの重要度がうかがえた.現地ジョグジャカルタのDVGHM火山技術センター所長以下のチームワークが光っていた.来年の第3回は,予算の都合上パプアニューギニアでの開催はあきらめ,インドネシアで再度開催することとなった.若手交流に加えて,アジアでの火山噴火経験の情報共有などの貢献へむけての準備にも重点を置く予定である. 関連HP: http://staff.aist.go.jp/a-takada/ccopworkshop-e.html 引用 |
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