体験学習
「化石のクリーニング」
兼子 尚知・辻野 匠・利光 誠一(地質情報研究部門)
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化石クリーニングの様子.ハンマーとタガネで慎重に化石を取り出します. |
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8月19日(金)に地質標本館の多目的展示室で,恒例となった夏休み体験学習「化石のクリーニング」が開催されました.これは,栃木県那須塩原市の塩原層群(約30万年前の湖成層)から産出した岩石(頁岩)をハンマーとタガネで割り,きれいな木の葉を取り出して,その種類を鑑定するまでの一連の作業を体験する,子どもたちにとって人気のイベントです.
まず,博物館実習で博物館活動の実務訓練をしている大学生が,参加した子どもたちに化石のクリーニングの指導を行いました.その後の鑑定の指導には,地質標本館のOBで,塩原層群の植物化石を長年研究されてきた尾上 亨さんと協力者計4名の特別講師を迎え,一連の体験学習が行われました.
当日は,小学生を中心に92名の参加者が化石クリーニングに挑戦し,それぞれに木の葉の化石を取り出して,驚きと喜びの表情を浮かべていました.中にはどうしても化石が出てこない参加者もいましたが,あらかじめ用意しておいた土産用の木の葉化石をさしあげて,全員が木の葉化石を持ち帰ることが出来ました.
化石クリーニングの体験学習は,本物の化石を自分自身の手で発見できるため,例年,化石を手にした時の子どもたちの喜びの表情が印象的です.また,30万年前とはいえ,いまの野山でみるものとあまり変わらない木の葉化石が出てくるため,親しみやすいことも人気のひみつかもしれません.
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