川辺禎久・中野 俊(産業技術総合研究所地質調査総合センター)
桜島火山大正噴火(1914年1月12日噴火開始)の様子などが記録されているガラス写真乾板115枚が産業技術総合研究所(以下産総研)に保管されていました。
このガラス写真乾板は、噴火直後に現地調査を行った故山口鎌次立正大学名誉教授(1887-1970)が撮影したもので、産総研の前身である旧地質調査所環境地質部火山地質研究室の資料の中から発見されました。産総研に保管された経緯については、山口氏ご遺族が国立科学博物館研究員に研究用に自由に使って欲しいと寄贈され、それを地質調査所の故小野晃司氏が「桜島火山地質図」(1981年出版)編集用資料として譲り受けたものということが情報提供注1で明らかとなりました。
ガラス乾板は11の箱に入れられており、一部劣化が認められました。約半分が桜島火山大正噴火ならびにその後の現地調査時に撮影されたものですが、大正噴火以前の桜島や昭和以降に撮影されたと思われるものも含まれます。また複写した噴火写真や火山学文献などもありました。一部のガラス乾板には撮影スケッチとメモが添付されていました。ただガラス乾板は撮影順に並んでおらず、明らかに撮影時期が異なるものが同じ箱に入れられており、そのためすべての画像について撮影日時を知ることは不可能でした。
収録した画像は、失敗写真などを除いた写真画像54枚および添付メモ画像15枚です。収録した写真画像サイズは長辺2000ピクセル,短辺1500ピクセル前後のjpegファイルですが、画面上は縮小して表示されるものがあります。添付メモなどで撮影時期がわかる画像については日付を示してあります。
昭和火口付近の画像も別ウインドウで示します。
本資料集の著作権は産業技術総合研究所地質調査情報センターに帰属します。この資料集に含まれる山口氏撮影写真は、すべて著作権法1967年改正による写真著作権保護期間暫定延長の対象とならない1956年12月31日以前に撮影された写真です。そのため改正前の著作権法(1899年施行)の写真著作権保護期間(10年間)の適用を受け、著作権保護期間は1966年末までに終了しております注2。しかし写真の著作人格権は保護されるべきであり、本資料集の写真を引用する際には山口鎌次氏撮影であることを明示していただきますようお願いします。
引用例:川辺禎久・中野 俊(2010) 山口鎌次氏撮影の桜島噴火写真. 地質調査総合センター研究資料集 no.525, CD-ROM.
注2 社団法人著作権情報センター「写真の著作権と保護期間」(外部リンク)
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大正噴火前の桜島 磯付近から撮影 |
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桜島を鹿児島から望む 大正噴火前?に天保山付近?から撮影 |
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大正噴火前 烏島が見える 鹿児島・城山付近から撮影。 鹿児島市街には本願寺、旧県庁、名山小学校などが見える。 |
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大正噴火前 磯付近から撮影 |
文献
川辺禎久・中野俊(2006) 産総研に保管されていた桜島火山画像.地質ニュース,628,42-44,実業広報社
川辺禎久(2007) 山口鎌次氏撮影の桜島写真について.予防時報,229,日本損害保険協会