観察時刻:午前11時と午後2時。
天候と雲:三宅島には高度約700mの雲がかかり、高度約1000mの風は
70度20ノット(午前中)、高度410mでは90度8ノット(午後)であった。
この雲の隙間から短時間陥没カルデラ内を観察することができた。
噴煙:白色噴煙は標高約1400m(島の高さの約二倍)まで斜め上に上昇し、
拡散し、島を出る前に消滅していた。気象条件のためと思われるが、
白煙の量は以前(7/27, 8/10)の数倍はある。噴煙の脈動の確認は、観察
時間が短かかったために噴気孔の観察からはできなかった。しかし煙の
塊が2〜3個並んでいたことから、間隔は10-20分程度である模様。上昇
した白煙は島の外に出る前に消滅していた。青白い火山ガスは新澪池
方向に山腹を流れ下っていた。風下側海上で火山ガス測定中(COSPEC)
に感じた火山ガスは、普段のh2S臭に加えて、SO2臭も強く感じた。
火口内:多数の噴気孔を有するマウンドは、以下の点が以前(7/27, 8/10)
とは異なった。1、マウンドの中央に池ができており、2、この周囲にあっ
た黄色い物質(硫黄?)の大半が消失していた。3、白色噴煙の量が多いため
(数倍?)、噴気孔が隠れがちであった。これらの点を除いけば、マウンドに
は顕著な変化は認められなかった。
陥没カルデラ底には緑色〜赤褐色の池がが多数出現していた。池の色は、
上記のマウンドに近いほど緑色で、遠いほど赤味が強くなる傾向があった。
カルデラ縁においては、新たな崖錐の生成や崩落は認められなかった。
もくじ: | 三宅島まで | 火山ガス観測 | 新島 | 噴煙 | 陥没カルデラ内 | 観測終了 |
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:東京ヘリポート離陸直後の都内。
観測日は、秋雨の前線が退いた直後であった。
視程はまあまあ。
↑ ↑ :ヘリコプターは都内→横浜→川崎上空を通り、9時50分に洋上に出た。
↑ :人員輸送のため、伊豆大島に短時間着陸。
↑ :新島までは、南下するにつれ天候が回復した。しかし、三宅島周辺には高度約700mの雲があった。
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:南西(左写真)北東(右写真)とからみた三宅島。
雲はこの日の風上側である北東側に多く、島の南西側では消滅していることがわかる。
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↑ :給油・休憩・昼食のため、新島空港に着陸。
↑ :お世話になったヘリ。新島空港にて。
↑ :13時34分、新島を離陸。
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↑ :北西上空から見下ろした、噴煙。モクモク上昇している。
↑ :北西からみた、噴煙。
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↑ :村営牧場の溜め池。土砂が流入している。
約30分の観測を終え、帰路についた。
東京ヘリポートにて。 ヘリクルーの皆様、どうもありがとうございました。
行程表: 06時09分:つくばを出る 08時30分:東京ヘリポートに入る 09時37分:ヘリコプターが離陸 10時10分:伊豆大島に短時間着陸 10時29分:三宅島の上空に到達。ガス観測開始 11時25分:ガス観測終了 11時40分:新島空港に着陸 13時34分:ヘリコプターが離陸 13時40分:三宅島の上空に到達。目視観測開始 14時05分:目視観測終了 14時26-38分:伊豆大島に短時間着陸 15時13分:東京ヘリポートに着陸 17時00分:つくばに到着。写真の現像と、官用車の給油。