2003年2月19日の三宅島
陸上自衛隊立川駐屯地より,陸自ヘリ(UH-60JA)にて.
同乗者は,東大震研吉本さん,松本さん,気象庁中堀さんもう一名(名前失念).
立川発8:10,三宅空港着9:00,COSPEC観測終了9:50,カルデラ観測終了10:17,
三宅空港発10:29,館山基地着11:25,立川着11:55.
7時半に立川駐屯地正門前集合というつくばからは過酷な集合時間.4時半につくばを出発,外環・小金井経由で6時半に立川着.朝食を食べる余裕はなんとか取れた.
前日までの予報では午前中は雨が残るとのことだったが,明け方には晴れ間が見えるほどになった.ただし海面には波頭が目立ち,風は北寄りでやや強い.
伊豆大島山頂には雲はかかっていなかったが,三宅島では雲底800-900m程度.カルデラ縁とのすき間から観測はなんとかできた.
気温が低く,火口直上の白色噴煙は多めに見える.噴煙高度は雲中のため不明.火山ガスは新澪池・新鼻方向に流れ,強いH2S,SO4臭を感じた.
カルデラ内観察は,南西から地表に沿って匍匐飛行で接近.谷頭の切れ目からホバリングで観察した.主火口(写真1,2)は白色噴煙が多く,北火口全面と南火口の北側半分から特に多く出ている.北風の反流で火口から北側に流され,カルデラ縁を越えると南に流されている.青白色の火山ガスを放出していた噴気孔は噴煙に遮られて確認できない.赤外温度観測もできなかった.スオウ穴下の崖錐などの地形に大きな変化はない.
時計周りにスオウ穴まで移動し,ここでもホバリングで観察した.カルデラ内は,南西崖錐がやや成長したくらいで大きな変化はない.黒黒とした新鮮そうな崖錐もあるが,以前の画像と見比べると大きな変化はなく,単に雨で濡れて新鮮にみえるだけのようだ.
水たまりの水位はやや高めか.特に中央部の池は面積も大きい.しかし火口や崖からの流水による土砂で縮小している部分(特に黒池南部,新北池北部)もある.
上空から見ると砂防工事が進んでいるのがわかる.(写真:1986年溶岩流,1962年割れ目火口)
帰途途中で,海自館山基地で機体洗浄(洗浄用ヘリパッド)の後立川に戻った.