7/3の観測は,東京周辺の視程不良で3時間近く待機した後中止,4日に延期と なった. 翌4日東京ヘリポートより警視庁ヘリあおぞら2号にて,約1ヶ月ぶりの観測.同乗者は津久井さん, 気象庁中堀さん,宇平さん. 気象条件を見て予定より50分遅れで出発.火口観測とCOSPEC観測をいったん東ヘリに帰ってから行う.
9:50東京ヘリポート発,10:48三宅島観測開始,11:15観測終了,12:12東ヘリ着, 13:45東ヘリ発,14:40COSPEC観測開始,15:03COSPEC観測終了,15:19三宅島発, 16:15東ヘリ着.
前日と同じくらい視程が悪い.比較的低高度(200m程度)を飛行していたが,伊豆大島付近で 海霧が発生,それを避けるために上昇するなど三宅まで普段より少し時間がかかる.
三宅島上空は弱い南西風.島の西側から雲が登ってきており,わずかに北東側に 雲の切れ間がある.そこを狙って高度3500ftで観測. 主火口直上での噴煙高度は飛行高度とほぼ同じだったことから,海抜1000m程度. 時々単発で勢いなく1100m-1400m程度まで上がる.噴煙の色は白色.青白色ガスとともに, サタドー岬方面へ流れる.ガス濃度は見た感じでは1ヶ月前と大きく変わらず,少なめ(3000-5000t/日だったらしい).
雲の切れ間からは,東-北東カルデラ壁がよく見えた.雨が続いたためか,雨裂が カルデラ壁にたくさんできている.また洗われて構造がよくわかる.これまでと 解釈を変えないといけない部分もありそう.
スオウ穴東カルデラ壁上部に,灰色の砂・火山灰らしきものが壁の途中に引っ かかって小さな崖錐群を作っている.カルデラ壁上部の細粒火山灰層が小規模な 崩落を起こし,カルデラ壁途中の棚状に張り出した部分に溜まったらしい.
規模の大きな崩落などは起きていない様子.降水による侵食が進んだことが印象的 だった.
午後のフライトでは,COSPECを火口東海上5マイルで3回の測定パス.その後短時間 ドアを開けずにカルデラ内を観測した.午前より雲が少なくなっているので,午前中にはあまり 見えなかったカルデラ底,主火口を観察できた. カルデラ底の池は,いずれも水位が上昇し,面積が拡大している.とくに埋積が 進んだ様子はない.主火口にも大きな変化はなし.