2月14日の三宅島


航空自衛隊百里基地より救難隊ヘリ(UH-60J:78-4658号機)にて.
同乗者は震研金子さん,古屋さん,気象庁尾台さん,寺村?さん.
足が長い救難ヘリなので,給油着陸はなしの航程.
東宮さんの2/6と同じく,ドライスーツを着ての飛行.袖口のゴムがきつくて着脱に苦労する.
私は操縦席すぐ後ろのバブルウインドウのメディック席に陣取ったので,よく観察することができた.
百里基地発11:48,三宅中ヘリポート着12:55,火口観測開始13:00,終了13:33,COPSPEC観測終了14:15,三宅中ヘリポート発14:25, 百里基地着15:44.

北東から近づく.低空はごく弱い北東風で,白色噴煙はほとんどまっすぐ海抜1500-1700mまで上昇し,上空の弱い西風で拡散する. ガスも地表を這う流れはそれほど濃くはなく,大路池~新澪池方面に流れる.
前日雪が降ったとのことで,山頂部はうっすらと雪を被っている. ほぼ無風,快晴という条件で,カルデラ内は非常によく見えた.
カルデラ壁に大きな変化はない. とはいえ,スオウ穴西などで新鮮な暗茶色の崩壊物があるほか,土煙や転がり落ちる岩塊も確認でき,小規模な崩落は続いている. スオウ穴西,カルデラ縁最高点にかけて,多数の割れ目が見える. スオウ穴西のカルデラ壁もオーバーハング気味のところがある. そのほかの割れ目については大きな変化はない.

新北池は干上がって水位がかなり下がり,大きさが縮小しているが,特に埋まった様子はない.色がオレンジ色に変わっている. 黒池は新北池と違い,水位に大きな変化はなく,色も元にかなり戻って,黒っぽくなっている.水位があまり変わらないのは,主に天水しか供給源がない新北池と違い,噴気孔から直接熱水が流れこむせいだろう.

噴煙がやや少ないのと,まっすぐ立ち上るため,主火口南壁などが見えた. 主火口南壁も南東カルデラ壁と連続する溶岩流が累積している.
主火口は深い南火口と浅い北火口.上昇力が大きく,モクモクとカリフラワー状が強い噴煙は,主に北火口から出ているように見える. 温度観測では460℃が観測されたとのこと.
風速があまりなく,低空と上空で風向が異なるため,ガスは広い範囲に拡散している.そのためCOPSPEC観測はアーク状の航跡で2回のパスの観測を行った.ほぼ真西から北東まで検知された.


北東から
左遠方は御蔵島
サイズ:800×525
スオウ穴から
スオウ穴西の割れ目に注意
サイズ:800×525
主火口と噴気孔
サイズ:800×525
上から見た主火口
2重になっている
サイズ:800×525
南東から
北西マウンドは比高がかなりある
サイズ:800×525
南西から
サイズ:800×525
黒池
サイズ:800×525
新北池と北池を埋
めた崩壊堆積物
サイズ:800×525
北からカルデラ底北半
サイズ:800×525
西からカルデラ底北半
サイズ:800×525
南カルデラ壁
サイズ:800×525
南-南東カルデラ壁
サイズ:800×525
南西カルデラ壁
サイズ:672×1024
南西割れ目
サイズ:800×525
北西カルデラ縁
割れ目
サイズ:1024×672
スオウ穴西の割れ目群
サイズ:1024×672
オーバーハング
気味のカルデラ壁
サイズ:1024×672