現在,気象庁のアレンジにより,三宅島の上空に週に1回ヘリコプターを飛ばしており,
大学および産業技術総合研究所(旧・地質調査所)のスタッフがこれに搭乗して観測にあたっています.
原則的に,警視庁,東京消防庁,自衛隊,海上保安庁のヘリが交代で飛んでいます.
ここでは,2月6日に東宮により撮影された写真の一部を公開いたします.
小さな写真をクリックするともっと大きな写真(40-90KB程度)が御覧いただけます.
なお,写真の無断2次使用は御遠慮下さいませ.
<データ>
観測時間 :2002年2月6日(水) 10:51~12:10(三宅島付近での滞空時間)
ヘリコプター:海上自衛隊「HSS-2B」(第51航空隊)
搭乗者 :古屋(東大震研)・東宮(産総研)・中堀 (気象庁)
ほかクルー4名
行程:
10:09 海上自衛隊厚木航空基地離陸
10:50 三中ヘリポート着陸(古屋さん降機→島内にて重力測定)
10:51 同 離陸
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火口・COSPEC観測
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12:10 三中ヘリポート着陸(古屋さん再搭乗)
12:11 同 離陸
13:00 海上自衛隊厚木航空基地着陸
○三宅島全景
○観測の様子
白色噴煙の上昇の様子.噴煙高度はときおり2000m近くにも達していたようだ.(三宅島南西海上7マイルより11:30撮影)
COSPEC(コスペック)観測中の気象庁スタッフ.COSPECとは二酸化硫黄(SO2ガス)の量を測る手法の1つで,ガスを通り抜けようとする光(紫外線)がガス中でどのくらい吸収されるかを調べるものである.COSPECに関しては右のページに解説がある:
http://staff.aist.go.jp/kazahaya-k/
カルデラリム付近の様子.雲がかかっていてカルデラの様子は分からなかった.スオウ穴も雲の中(右写真ではかろうじてミソド穴までは見えている).
(左:カルデラの西側より12:00撮影,右:カルデラの北側より12:04撮影)
○その他
本日お世話になった海上自衛隊のヘリ「HSS-2B」(第51航空隊).---------- 1.概況 天気は曇り.三宅島山頂部にも雲がかかっていた. カルデラリムよりやや低所に雲底があり,カルデラ内部の状況は全く観測できず. ---------- 2.噴煙・ガス 「白色の噴煙」がほぼ真上(やや東寄り)に上昇し, 山頂部にかかっていた雲を突き抜けていた. 噴煙頂部の高度は海抜1500m程度であったが,ときおり2000m近くにも達していたようだ. 噴煙は上昇後は東へたなびき,その後は雲と混じってしまい詳細はよくわからない. 「青白いガス」は,低層部では南南西方向(新澪池方向)に斜面に沿って流下し, 一方で高層部では南東方向(坪田方向)にたなびいていた. このため,COSPECによるSO2濃度のピークも2つあるようにみえた. (ピークは南東の方が高い.) 低層部のガスを横切る時には機内でもSO2臭を感じた.ただし,そのときでも ガスセンサーの表示は「0ppm」のままだった(つまり2ppm未満). ---------- 3.カルデラ内部・カルデラ縁 雲に阻まれて,カルデラ内部・カルデラ縁とも全く見ることができなかった. (スオウ穴さえ確認できず.) ---------- 4.飛行コース等について 古屋さん(重力観測)降機後,まずCOSPEC観測に入った. 島から5マイルの距離のトラバースを1往復(西→南→東→南→西)と, 同7マイルの距離のトラバースを1回(西→南→東)の,計3観測を行なった. COSPEC観測終了後,火口観測にチャレンジするが,雲に阻まれ全く見えず. (というか今回は,火口観測絶望とみて,COSPEC観測に大きく時間を割いていた.) なお, 観測中はドアオープンであったが, それに備えて観測者は「ドライスーツ(※)」を予め着込んでいた. (※)防水仕様の"つなぎ".長靴と一体となっているほか,手首や首の部分がゴムで 密閉されるようになっている.基地で貸与される. 以上 ----------------------------------------------------------------------