第4回地質写真コンテストグランプリ作品
題名: 巨大地震が生んだ南の島の不思議な景色
カテゴリー: 組写真(地質現象)
撮影者: 宍倉正展
(A) 地震で死にゆくココナッツ 2004年スマトラ島沖地震(M9.3)では、津波の被害のほかに、地盤の沈降による浸水被害が生じた。インド・アンダマン諸島南東部では、最大1mの沈降が記録され、沿岸の家屋や田畑には海水が浸入した。写真はココナッツ林が浸水によって枯れ、朽ちて行っている様子である。
(B) 水浸しのココナッツ 2004年スマトラ島沖地震に伴う沈降で浸水したインド・アンダマン諸島南東部のココナッツ林である。こちらは塩水の浸入を防いでいるので、まだ完全に枯れていないが、徐々に朽ちていく運命である。
(C)地震で干上がったサンゴ礁 2004年スマトラ島沖地震では、地盤が沈降した場所がある一方で、逆に地盤が大きく隆起した場所もある。インド・アンダマン諸島北西部のノースリーフ島と呼ばれる無人島は、島の周囲に美しいサンゴ礁が発達していたが、地盤が一気に隆起したため、全て干上がってしまった。本来、ダイビングをしなければ見られないサンゴが、こうしてほぼ生息した状態のまま露出している様子は、滅多に見ることが出来ない不思議な現象といえる。
(D) 地震で干上がったサンゴ礁 2004年スマトラ島沖地震に伴う隆起で干上がったインド・アンダマン諸島北西部ノースリーフ島のサンゴ礁である。こちらは特にマイクロアトールと呼ばれるハマサンゴの仲間が形成した円形の群体が観察される。マイクロアトールはその頂面が低潮位を示すことから、このように干上がった個体の高度から、地殻変動の量を知ることができる。調査の結果、およそ1.3mの隆起が確認された。