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地質で語る百名山 トップへ
概説
「大雪に登って山の大きさを知れ」という言葉があります。 この大雪山とは北海道の中央に位置する巨大な山塊に与えられた名で、 特定のピークの名前ではありません。 この山塊は最高峰の旭岳(2,290m)をはじめとする2,000m級の峰々からなり、 南に十勝岳連峰、東に東大雪連峰を従え、 北海道の屋根と呼ぶにふさわしい風格と懐の深さを持っています。 これらの山々を含む大雪山国立公園は23万haという日本最大の面積の中に、 個性的な温泉・滝・湖・湿原・動植物群を配し、 北海道有数の観光地となっています。 北海道にある大雪山の気候は本州の3,000m級の山岳に匹敵し、 氷河期の生き残りであるナキウサギ・ウスバキ蝶などの生物群や、 週氷河作用の証拠となる永久凍土・構造土などを観察できます。
人との出会い
アイヌの人たちはこの山をヌタップカウシュッペ(神々の山)と呼び敬っていました。 大雪山に近づいた和人としては間宮林蔵・松浦武四郎・松田市太郎らが先達です。 松田は4人のアイヌの人たちの案内で1857年に石狩川の水源調査を行い、 忠別岳(1962m)などに登頂し、層雲峡温泉を発見しました。 1872年には高畑利宣が層雲峡を探検し、流星の滝や銀河の滝を発見しています。 最初の学術的調査を行ったのは1874年のライマンで、 記録の確かなものとしては、 北海道最高峰の旭岳の頂に立った最初の和人は1876年の松本十郎です。
火山活動
大雪山は長い成長の歴史を有する火山群で、100万~70万年前に活動を開始しました。 その後の火山活動は3つのステージに区分されます。 ただしこのステージ分けについては複数の説があって、 ここに掲載した20万分の1地質図幅の区分はやや古い説であることをおことわりしておきます。
地質図-GIF版- |
ステージ1
活動開始からおよそ5万年前までの時期です。 大雪山の中央部はステージ2で御鉢平カルデラが生成した時大きく陥没し、 その後の火山噴出物で覆われてしまっているため、 この時期の火山岩類は比布岳、愛別岳、赤岳などの外輪山火山群でのみ見られます。 愛山渓温泉と旭岳温泉の間にある沼ノ平溶岩(地質図のA1)のカリウム-アルゴン年代はおよそ30万年前です。 沼ノ平溶岩の地表面には凹凸が大きく、多くの沼ができています。
ステージ2
ステージ3
関連リンク
- 大雪山国立公園連絡協議会 ここにも登山情報・写真ライブラリーなどを含む詳しい解説があります
- 大雪山国立公園パークボランティア ここも大変充実しています
- 日本の第四紀火山カタログ 日本の第四紀火山のリストがあります。この下の 大雪 に大雪山の詳しいデータがあります。(リンク先ページ閉鎖)