「千廐」地域は,地体構造区分上,南部北上帯に属する.南部北上帯は,大陸縁辺部で堆積したシルル系から下部白亜系からなる,日本列島では例外的な地質帯です.千厩地域では,主に石炭系から下部白亜系と前期白亜紀の貫入岩類が分布しています.石炭系?下部二畳系は浅海成の泥岩や石灰岩からなっています.中部二畳系は西側に存在していた地質体の隆起によって薄衣式礫岩が堆積しましたが,やがて厚い泥岩からなる上部二畳系登米層が堆積しました.三畳紀には稲井層群と皿貝層群が堆積しました.白亜紀になると火成活動が活発になり,安山岩や玄武岩が噴出し,新月層を形成しました.地殻変動により,これらの地層には褶曲や断層が形成され,引き続き,石英モンゾ閃緑岩・花崗閃緑岩などの岩相変化に富む折壁複合深成岩体が貫入し,さらに千厩トーナル岩体が広範囲に貫入しました. |